掛川織・花ござ-工房大木|残したい文化。福岡で最後の“い草生産者で花ござ職人”の最後の挑戦

※アイキャッチ

部屋に入った瞬間、色とりどりの華やかさや、部屋に漂うい草の良い香りに圧倒され、思わず「わあ~!」と言ってしまう魅力。

みなさんは、福岡県知事指定民工芸品にも指定されている、この「掛川織」の「花ござ」をご存知ですか?

福岡で最後の1組になった生産者兼職人、「掛川工房大木」の廣松さんご夫妻

二人きりでの“い草”の生産と、花ござの制作はとても苦労が多いそうですが、作り続けています。そこにあるのは、福岡に残る最後の生産者兼職人としてのプライドや誇り。

次世代に残したい、廣松さんたちの想いと技術。そして、福岡の文化。

1人でも多くの方に知っていただき、ぜひ、このクラウドファンディングを応援してほしいです。


掛川織・花ござについて

「掛川織・花ござ」は、ご自宅はもちろん、大切な方にも贈って欲しい、機能美と作り手の想いを兼ね備えた“心のこもったインテリア”です。

掛川織のこと

廣松さんご夫妻の「花ござ」は、福岡県の筑後地方で生産される「掛川織」と呼ばれる織り方で作られています。

「紋織(もんおり)」や「袋織(ふくろおり)」など、花ござの中にも様々な織り方がありますが、「掛川織」は、約3cmの大きな織り目と約1cmの小さな織り目が交互にくり返されているのが特徴です。

長くて良質ない草を使っているため、弾力があって手触りの良い「掛川織」のござ。この「掛川織」で織った花ござは最高級品と言われています。

その歴史は江戸時代から続くもので、昭和55年3月に福岡県知事指定民工芸品に認定されています。現在、国産「花ござ」の生産量は筑後地域が、全国の9割ほどを占めています。

花ござのこと

畳のないお家や、フローリングの床でも、畳に使われている“い草”の香りを感じることができる「ござ」。

「花ござ」とは、染色したいぐさを用い、模様が入るように織りあげた敷物(ラグ)のこと。

ござ特有の落ち着く匂いや触り心地を感じられるのはもちろんのこと、デザインの幅が広く思わず見入ってしまう素敵な見た目が特徴です。


生産者の顔

福岡県のブランドいぐさ「筑後みどり」

「掛川織・花ござ」に使われる原材料のい草は、廣松ご夫妻が1から育てています。

そして、その品種は福岡県のブランドいぐさである「筑後みどり」

「筑後みどり」は、今から20数年前に作られたいぐさの品種です。いぐさの中にはスポンジ状の綿が入っており、「筑後みどり」は、その綿が充実しています。そのため、

  • 弾力性がある
  • コシが強い
  • 耐久性に優れている

のが「筑後みどり」の良さであり特徴です。このい草で織られた「掛川織・花ござ」は、もちろんこれらの性質を備えているため、永く愛用することが可能です。

い草の栽培は、収穫まで約1年半

い草はお米のように田んぼで育てられますが、お米のように半年ではできません。なんと約1年半ほどかけて、苗の準備から収穫までを行います。

7月上旬にい草の苗の準備。12月に株分けを行い、苗を植えます。

5月の中旬頃に新しい芽を伸ばすための作業である先刈りを行い、6月に雨や風でい草が倒れないように網かけをします。

そして、7月に刈り取りが行われます。

また、土には有機肥料を使い、農薬はほとんど使用しないという、栽培方法へのこだわりもあります。

あまりの栽培の大変さから、近年はい草の産地・八代市でも、野菜農家に転身する方が増えているそうです。

「どうしてい草を育てるところから自ら行うのですか?織るだけでも、とても大変ですよね」と広松さんに伺ってみました。

すると「自分が作るものは、育てるところから責任を持ってするのが、職人のこだわりだから」と、広松さんは言います。

自分が作るものへの責任とプライド。手間ひまや苦労を惜しまない姿がそこにはありました。

い草を泥染めする

「い草」は、 刈り取られた後、多くの畳やござを作る工程で、糸を染めるように、土を使用した“泥染め”という加工が施されます。

泥染めは、ござとして織る前の“い草の乾燥”工程を促進する役割、そして光による色落ちを防ぐ役割を果たしています。

泥の細かい粒子が舞う「泥染め」の工程はかなりの大仕事ですが、広松さんご夫妻は自ら行います。


職人の顔

「掛川織・花ござ」は、機械で1枚ずつ織られています。

工房大木の花ござの魅力は手間をかけた「引き込み」

花ござを織り上げ、仕上げる際、伝統的な掛川織を作る広松さんは、接着剤を使わずに経糸(たていと)を“い草”のなかに折り込むことで端を止めます。

「引き込み」という作業です。

写真の白い糸が経糸です
経糸をい草の中に織り込みます
白い糸が見えないよう、もう一度織り込み返します

こうすることで、より端を綺麗に処理することができます。この技術を使っているのは、廣松さんだけ。1枚1時間はかかりますが丁寧に仕上げることで「美しさ」がでてきます。

また、端の処理が丁寧なことでフチをつける必要がなくなることから、「空間が広く感じる」と広松さんは言われます。

工房大木の花ござは、この「引き込み」にこだわっています。


広松夫妻が生み出す、掛川織・花ござの魅力

染色したいぐさを用い、「掛川織」という技法で、模様が入るように織られているのが、廣松ご夫妻のござの特徴です。

オリジナルデザイン「虹」。和風にも洋風にも

華やかな色味で模様が入っている「花ござ」は、和風の部屋はもちろん、フローリングの部屋や洋風な部屋にも合います。

中でも、広松さんが自らオリジナルのデザインを考案した「虹」シリーズのカラフルな色味と柄は、唯一無二の魅力。

カラフル過ぎて合わせにくいかと思いきや、意外とそんなことはありません。「ござ」という限られた面積に華やかな色や柄が使われていることで、お部屋をパッと華やかに彩ってくれます。

赤、若草、みどり、黄、茶のカラーリングから、お部屋のテイストに合わせて選ぶことができます。


残したい。生産者兼職人ご夫婦の技術と想い|クラウドファンディングをする理由

「これが最後の挑戦」

と、「掛川工房大木」の生産者兼職人である、廣松健男さんは言います。

昭和63年には「い草生産者 兼 加工者」、つまり、自ら原材料であるいぐさを育て、ござを織る職人たちが約250組もいました。

しかし、海外製品の安価なござや、い草を使わない新たなござの登場、そしてい草を知らない世代が増えたことで、現在は「い草生産者 兼 職人」は、たったの1組となってしまいました。

そのたったの1組である廣松ご夫妻は70代となり、後継者はいません。

「たとえ自分で終わったとしても、最後までやりきりたい」

と健男さんはいいます。

「プライドでご飯は食べられんし、色々大変やけどね」

と、りつこさんは困った笑顔で話しつつも、15年ほど途絶えていた手織りの技術を自ら復活させました。

そこに感じるのは、「掛川織・花ござ」に対する、一言では言い表せない愛情や愛着でした。

いまこの瞬間になくなってしまうかもしれない文化、そして生産者兼職人ご夫婦の技術と想いを、残したい。そうした気持ちで、このクラウドファンディングを企画しました。

福岡県の大切な文化を、お2人の想いを、残していきたいです。ぜひ、応援してもらえたらありがたいです。

資金の使い道

従来の1畳・2畳の「掛川織・花ござ」をお届けしつつも、近代のライフスタイルに合わせた使い方を提案できる新商品を開発・販売します。

  1. 新商品のデザイン費
  2. 試作費…新商品制作のための試作にかかる費用
  3. 初回製作費 … 応援購入していただいた方へお送りする商品の初回製作材料費

リターンについて

既に人気をいただいている「花ござ」1畳・2畳に加え、「ランチョンマット」などの新商品を加えています。

【おすすめ】掛川織・花ござ1畳

“ござ”というと和風なイメージがありますが、工房大木の「掛川織・花ござ」ならフローリングの部屋や洋風な部屋にも似合います。一人暮らしやマンションにお住まいの方にも手軽にご使用いただけます。

22,000円(税込・送料込)

掛川織・花ござ2畳

“ござ”というと和風なイメージがありますが、工房大木の掛川織・花ござならフローリングの部屋や洋風な部屋にも似合います。お部屋の印象をガラッと変え、インテリアを華やかに彩りたい方へ。

44,000円(税込・送料込)

【おすすめ・新商品】掛川織・花ござランチョンマット 4枚セット

クラウドファンディング用に開発した新商品です。

掛川織・花ござの美しさはそのまま、日常の食卓で使えるようにした「ランチョンマット」のセットです。

ギフト箱入りなので大切な方への贈り物にもおすすめです。

13,200円(税込・送料込)

掛川織・花ござランチョンマット 1枚

掛川織・花ござの美しさはそのまま、日常の食卓で使えるようにした「ランチョンマット」のセットです。クラウドファンディング用に開発した新商品です。

3,300円(税込・送料込)

【おすすめ】現地体験ツアー

福岡県三潴郡大木町にある「掛川工房大木」の工房にお邪魔し、現地見学をするツアーです。

廣松ご夫妻のお話を直接聞き、制作の現場を取材してみませんか?

5,000円(税込)

い草インテリア(筑後みどり・染め加工済)

花瓶に挿す、リボンで結ぶなどして、お部屋に飾って手軽に楽しむことが出来ます。お部屋のアクセントに。い草の香りも楽しむことができます。

1,500円(税込・送料込)

【10000円】廣松ご夫妻応援コース

感謝の気持ちを込めて、「掛川工房大木」のホームページ内に「応援コース」のサポーター様として、お名前を掲載させていただきます。

10,000円(税込)

【3000円】廣松ご夫妻応援コース

感謝の気持ちを込めて、「掛川工房大木」のホームページ内に「応援コース」のサポーター様として、お名前を掲載させていただきます。

3,000円

スケジュール

1,2032月5月頭~末まで … プロジェクト実施。リターンをお選びいただく。

2,2022年6月~ … リターンの制作開始。

3,~2022年8月末まで … 完成後配送(制作期間3ヶ月ほど)

実行者紹介

【制作】生産者兼職人 廣松ご夫妻

廣松一男さん 福岡県三潴郡大木町出身。高校卒業から、い草の生産と「掛川織・花ござ」の職人一筋。

廣松りつこさん

ご実家もいぐさ農家。手織りをしているときの「時間を忘れて織れます」という広松さんの嬉しそうな笑顔が印象的。

【企画&実行者】株式会社アジアン・マーケット

「株式会社アジアン・マーケット」の室井です。私たちは3年ほど前に、ある仕事の現場で偶然出会いました。それ以来、販売促進やワークショップの開催、お客さまとの現地訪問企画など、一緒に活動を続けています。

「大変だよ」と仰りながらも、妥協せず良いものを作り続ける姿。「最後の挑戦」と強い意志を覗かせるその瞳を見て、私たちも「掛川織・花ござ」を「残したい」と願うようになりました。

今回のクラウドファンディングを含め、今後の活動を応援していただけたら嬉しいです!

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